MFSとはMetalize Finishing Systemの略称であり、高反射特性と鏡面を持つ美しい金属加飾塗装を可能にした銀鏡塗装システムです。

当社では、MFSを導入いただいたお客様の製品開発に役立つ様、多数のノウハウを基に、しっかりとした技術指導とアフターフォローを心掛けています。また導入をご検討いただく際には事前の打ち合わせを綿密に行い、ご不明な点や疑問は必ずクリアーにし、ご納得いただけるまできめ細やかな対応をさせていただきます。

 

銀鏡塗装とは
「塗装」という言葉を使っていますが、メッキ技術の一種となります。
銀鏡反応(ぎんきょうはんのう、英:silver mirror reaction)を工業的に応用し、電気エネルギーを用いないで「銀(銀の薄膜)」を作る際の科学薬品を塗布し、素材表面に純銀膜を析出する方法です。ですから、一般的な「塗料」を使用する塗装とは異なり、形にかかわらずピンホール(小さい穴)もなく均一な膜厚ができるのが特徴です。

 

MFSの特徴

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小設備で導入可能

MFSは、メッキ槽を必要とせず一般的な塗装ブースで使用することができますので、大掛かりな設備を有することなく比較的少ない投資で初めていただくことができます。また、従来の銀鏡塗装に比べ、腐食防止技術の開発により銀鏡膜の耐久性大幅にアップしました。

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スプレー操作による多様性

MFSは、一般的なスプレー塗装に近い感覚で、製品表面に銀鏡反応による薄膜を形成し高級感のある金属調仕上げを施す技術です。

1個からの小ロットの塗装も可能なため、試作品製作などにも最適です。

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様々な形状への塗装が可能

このスプレー操作により、数センチから1メートル以上の大きな物、複雑な形状でも細部まで施すことができます。細かな素材の柄を生かしたり、全体塗装だけでなく部分塗装も可能です。

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多様な素材への塗装が可能

金属はもちろん、各種樹脂、陶器、ガラス、ホウロウ、アクリル、木材など様々な素材を金属調に仕上げる事が可能です。
※素材によっては特殊な下処理が必要となります。詳細についてはお問合せください。

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豊富なカラーメタリック表現

仕上げのトップコート剤はクリアー(透明)をはじめ、顔料と染料をご用意しています。この顔料や染料を混合しカラークリアーを塗布することによりカラフルに仕上げることができ、調色次第で無限のカラーを表現できます。

カラーグラデーションが可能

スプレー方式ならではの塗装テクニックにより、カラーグラデーションを施すことができますので、アイデア次第で様々な意匠性を持たせることが可能です。

デザイン性

マスキングを使用することによりカラーの塗り分けや部分塗装も可能で、銀鏡塗装の最大の特性である鏡のような美しい輝きと光沢で、イマジネーションを膨らませる次世代のカラーリング技術として様々な分野で使われています。

環境に拝領したエコロジーな技術

有害な重貴金属を一切使用しないため、環境に優しく時代のニーズに適した技術です。
塗装後の廃液は、純水と銀及び若干の化学物質で、固形分を沈殿・分解することにより工場内での処理することができます。また、廃液はリサイクル及びクローズドシステムも可能です。廃液処理に必要な沈殿剤や中和剤もご用意しております。

導入をご検討いただく際に

MFSは、指定された環境の下で手順に従って作業していただき、技術を習得していただければ未経験の方でも使用が可能です。ただし、塗装というよりも精密な化学プロセスなので慎重で正確な作業が求められるため、誰でも明日からすぐに商業生産に入れるわけではない、ということはご理解ください。


 

MFSのバリエーション

MFSは、優れた鏡面と輝きを作り出すことができ、製品の意匠性を向上させるだけでなく様々な用途でご使用いただけるため、工業製品だけでなくアーティスティックな「作品」を生み出す用途でも注目されています。


[ハーフミラーを作ることが可能]
塗布量の加減によりハーフミラー(半透過性の鏡)に仕上げることが可能です。また、金属調でありながら光を通す特性もあるため、ライティング演出やマスキングによる部分塗装などを組み合わせ、デザイン性に優れた価値あるアイテムを作り出すことができます。 また、単純なハーフミラー(半透過性の鏡)だけではありません。ハーフミラー作製技術を応用して独特の浮遊感を持つ色彩を容易に実現できます。また、着色したアンダーコート、トップコートと組み合わせ、光の強弱により色彩が変化する新しいデザインを創造できます。

 

MFSシステムユニット


<基本システムユニットサイズ>

・幅800mm
・高さ1000mm(キャスター含む)
・奥行400mm

工業ラインなど大量生産設備については、ご要望にあったシステムを提案させていただきます。

<ユニット付属品>
4Lタンク×3/専用ガン×4/2カ所エアー制御/ガンフック×5

1Lビーカー×1/2Lビーカー×2/3Lビーカー×1/樹脂製メスシリンダー×4

<セット内容>
薬液・塗料・添加剤・顔料×一式/純水

<技術講習>
納品後に技術講習(1日)を行わせていただきます。

<付帯設備について>
MFSをご利用いただくには、以下の設備が別途必要となります。
塗装ブース/乾燥炉/オイルフリーコンプレッサー、塗料類用塗装ガン等をご用意ください。
付帯設備についてご不明な場合はお問い合わせください。

 

MFS作業工程

<下処理>
1.素地調整やマスキング処理
2.治具取付け
3.脱脂及び静電気除去処理

アンダーコート

下処理を行った後、専用アンダーコートを塗布

(標準膜厚20〜30μ)

乾燥

所定の乾燥時間
例)80℃×60分(KEEP)
乾燥温度と時間は、素材の材質・形状・大きさ及びご使用の乾燥炉の性能により異なります

エージング

常温で3時間以上放置。

洗浄

素材表面のホコリ等を純水を吹き付けて洗浄

表面調整

銀鏡反応しやすくするために、素材表面に表面調整液を塗布して親水化する

洗浄

表面調整液で表面が濡れている状態で純水で洗浄し、表面調整液の余剰分を完全に洗い流す

銀鏡

表面調整液を洗浄後、銀鏡反応液と還元液を専用二頭ガンで同時塗布し、途中洗浄を加えながら純銀の膜を析出

(純銀膜厚約0.2μ)

洗浄

銀鏡化後、表面が濡れている状態で素早く純水で表面を充分に洗浄

エアーブロー

純水洗浄後、すぐにエアーブローで表面の水分が完全に取れるまで充分に吹き飛ばす

乾燥

水分を完全に除去した後、速やかに素材を乾燥
例)70℃×20分(KEEP)

トップコート

トップコートを塗布
着色(カラー)の場合、1回目のトップコートに着色剤を入れて塗布

乾燥

所定の乾燥時間
例)70℃×20分(KEEP)
乾燥温度と時間は、素材の材質・形状・大きさ及びご使用の乾燥炉の性能により異なります
乾燥後、完全硬化まで5日程度かかる。

 


製品例画像

フォトギャラリーでは、商業製品からオブジェ等のデザイン製品まで、銀鏡塗装を施した様々な製品例の画像をご覧いただけます。

塗装風景ムービー

ムービーギャラリーでは、MFSを使用した実際の塗装の様子をご覧いただけます。MFSのご購入をご検討の方は、是非ご参考になさってください。